甲状腺眼症

 

甲状腺眼症

甲状腺眼症は、甲状腺刺激ホルモン(TSH)受容体抗体による自己免疫異常に伴って発症する眼症状をさし、眼窩とくに外眼筋や脂肪組織に炎症性病変がみられます。
主要な原因はバセドウ病ですが、眼症状発症が先行する症例もあり、必ずしも甲状腺機能異常が認められない場合もあります。
眼症状と甲状腺機能とは必ずしも並行しません。

甲状腺眼症の症状・所見

急性期には眼窩部に炎症細胞の浸潤がみられ脂肪組織と外眼筋に炎症反応がみられます。
症状としては、眼瞼浮腫、眼瞼後退、結膜充血、眼窩部痛などが認められ、筋繊維間に結合組織の増生が認められます。
慢性期には、眼窩脂肪と外眼筋での繊維芽細胞の増殖と線維化が認められます。
症状としては眼球突出、眼球運動制限、複視、視神経障害、角膜障害などがあります。

眼球突出について

ヘルテル氏眼球突出計
眼球突出はバセドウ病で特徴的な症状です。正常値は16~18mmで、それ以上の突出や左右差3mm以上の差は異常値とされています。測定にはヘルテル眼球突出計が用いられます。

当院での治療方法

イトウ針灸院では、主に甲状腺眼症の治療を行っています。バセドウ病の治療は、投薬(メルカゾール、チウラジール、プロパジールなど)で行われる事が一般的ですが、鍼灸治療を早い段階で行うことで、甲状腺眼症によるトラブルや後遺症を最小限に抑えることが可能です。
バセドウ病はWHOの鍼灸適応症に指定されている疾患で、予後は比較的良好で適切な治療が行われれば数年で治癒しますが、数年に渡って増悪と緩解を繰り返す場合があります。

甲状腺眼症の問い合わせで一番多いのが眼球突出ですが、慢性期(投薬終了後)の回復は難しいです。
組織が脂肪化・繊維化してしまった後では、基本的に針治療による改善は見込めませんので手術を考慮する必要があります。ただ、治療により一定の効果を見込める場合もありますので一度ご相談下さい。

目を動かす筋肉の炎症による複視の症状を訴える方も見えます。複視の症状も合わせて治療を行うことが可能で、治療により炎症が取れ、症状が改善する方が多いです。

治療当初は症状により週1~2回の治療を行い、効果判定を行います。その後は治療間隔を徐々に空けて治癒を目指します。

当院での症例

症例1 30代 女性 甲状腺眼症

症状

5年前に発症した甲状腺眼症で、痛みなどの症状は無いが、左目の経度の突出、閉眼不全、ドライアイの症状あり。

当院測定結果

【初診時】
右0.9 左0.9 ヘルテル眼球突出計 右 18mm 左20mm
【13診目】
右 1.2 左0.8 ヘルテル眼球突出計 右 18mm 左19mm 閉眼の状況も改善してきており、ドライアイも軽減しているとの事。
【30診目】
右 0.9 左0.9 ヘルテル眼球突出計 右 18mm 左18mm 左目の眼球突出は数値では左右整い、閉眼もほとんど改善しています。
一度多忙の際に症状が悪化した事もあり、様子を見ながら他の症状と共に隔週で治療中です。

鍼灸治療後

発症から5年経っており、組織が繊維化していると思われたので改善は難しいと考えておりましたが、治療により少しずつですが改善が見られた症例です。

症例2 30代 女性 甲状腺眼症

症状

平成25年5月頃に発症したバセドウ病に伴う甲状腺眼症。眼球突出はあまり問題ないが、目周囲の腫れが強く、症状の改善を希望されて来院。

当院測定結果

【初診時】
右1.0 左1.5
【8診目】
右1.5 左1.2 目周囲の腫れは大分引いてきた。眼科でも腫れが引いている事を確認。

鍼灸治療後

本症例は発症から比較的時間が早く、腫れが強い状態でした。
治療により腫れは改善し、引っ越しにより他院に転院となり治療終了となりました。

この症状の患者様の声

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