網膜動脈閉塞症

 

網膜動脈閉塞症

網膜中心動脈かその分枝が血栓や塞栓により閉塞し、網膜への血流途絶、および虚血により、急激な視機能障害をきたす疾患です。
動脈硬化、高血圧、内頸動脈狭窄、糖尿病、心臓弁膜症などに罹患している高齢者に多い疾患です。

症状

症状は、急激な視力低下を自覚し、網膜の広範囲の乳白色混濁、黄斑部の桜実紅班、動脈の狭細化、顆粒状血流などの眼底所見を示します。
一般に視力予後は不良ですが、毛様網膜どうみゃくにより、黄斑部が動脈閉塞による虚血から免れる場合は例外的に良好な視力を保つ場合もあります。

検査

血流途絶後、およそ100分で網膜に不可逆性変化が起こるため、緊急の治療が必要です。
眼圧下降および血管拡張によって血流を回復させるために、眼球マッサージ、前房穿刺、炭酸脱水酵素阻害薬静脈注射、星状神経節ブロックが行われます。
ほかに、高圧酸素療法、繊維素溶解療法の点滴静注が行われます。

当院での治療

網膜動脈閉塞症に対して、発症から一か月以内で治療を開始出来ると、大幅に改善する可能性があります。
入院中の視力の回復の経過が思う様に進まなくて、退院後に早い段階で治療を開始される事をお勧めします。
発症1ヶ月以内が一番回復を見込める時期ですが、それを超えた場合でも治療により改善がみられる症例もございます。
治療に関しましては、非常に緊急性の高い疾患になりますので、当初は週3回の治療を行い、1ヶ月後には週2回を徐々に回数を減らしていきます。
当院での施術内容や症例は下記にまとめてあります。

第39回眼科と東洋医学で発表した「鍼施術により網膜動脈閉塞症の視力・視野に変化がみられた2症例」

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