角膜にはビタミンA

スタッフの松本です。

先日患者さんが、「目を搔いてしまい角膜にキズをつけてしまった」と院長に相談され、色々とアドバイスをされていました。
状態改善のために、鍼灸施術をうけること以外に、ご家庭での食事に氣を配ることも大切になります。
今回は、摂取すると角膜の再生をうながす、「ビタミンA」についてのお話です。

ビタミンとは

ビタミンは、からだの細胞をつくるために必要な、『タンパク質・糖質・カルシウム・脂質』などの栄養素の働きを助ける物質で、13種類あります。

脂溶性ビタミン

ビタミンA: レチノール、β-カロテン、α-カロテン、β-クリプトキサンチンなど
ビタミンD: エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール
ビタミンE: トコフェロール、トコトリエノール
ビタミンK: フィロキノン、メナキノンの2つのナフトキノン誘導体

水溶性ビタミン

ビタミンB群
ビタミンB1: チアミン
ビタミンB2: リボフラビン。ビタミンGともいう。
ビタミンB3: ナイアシン。ビタミンPPともいう。
ビタミンB5: パントテン酸
ビタミンB6: ピリドキサール、ピリドキサミン、ピリドキシン
ビタミンB7: ビオチン。ビタミンBw、ビタミンHともいう。
ビタミンB9: 葉酸。ビタミンBc、ビタミンMともいう。
ビタミンB12: シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン

ビタミンC: アスコルビン酸

ビタミンは体内で必要量を十分に合成することはできないので、食事から摂取する必要があります。

ビタミンAとは

ビタミンAは皮膚や粘膜などを健康に保ち、細胞の新陳代謝を活発にし、抵抗力を高めます。
不足すると、目の粘膜である網膜や角膜の細胞がつくられるスピードが遅くなります。
角膜の透明度の低下や表面が乾いて炎症を起こしやすくなります。
ビタミンAは、目の網膜にある視物質ロドプシンの素材です。
ロドプシンは、うす暗いところではたらく細胞。そのためビタミンAには、暗い場所に徐々に目が慣れていく「暗順応」を高める働きもあります。
ビタミンAが不足すると、暗さに順応する、暗順応の機能が低下し、夜盲症になることが知られています。

ビタミンAが含まれる食べ物

ビタミンAは緑黄色野菜やレバー、うなぎに多く含まれるます。
ビタミンAはビタミンDと一緒に摂ると、吸収がよくなります。
ビタミンDは魚類、卵類、きのこ類に多く含まれるので、シイタケやしらす干し等と組み合わせるとよいです。

おすすめの組み合わせ

野菜 + きのこ類(魚類) + レバー(うなぎ)少量

緑黄色野菜に多く含まれる、βカロテンは体内でビタミンAに変換されるため、ビタミンAの過剰摂取を心配する必要がありません。
そのため、ビタミンAを摂取する場合には動物性食品に含まれるレチノールよりも緑黄色野菜に含まれるβカロテンを摂る方がオススメです。

注意点

ビタミンAの過剰症(摂りすぎ)には急性症状と慢性症状があります。

急性症状 : 全身倦怠感、頭痛、吐き気、めまい、顔面の浮腫、皮膚の剥離など。
慢性症状 : 頭蓋内圧亢進症、皮膚の剥脱、脱毛、筋肉痛、肝障害、関節炎など。

通常の食事での摂取では過剰となる場合はほとんどありませんが、サプリメントを使用する場合などは注意が必要です。。
どのようなものことでも言える事ですが、食べ過ぎ・取り過ぎには十分お気をつけ下さい。

関連記事

目の薬膳茶

当院では、新患さんにお茶をお出して症状についてお話を聞かせてもらっています。 せっかく眼科専門の鍼灸院なので、今月から目の薬膳茶をお出しています。 <目の薬膳茶の内容と効能> ・菊花:体の熱を冷ます、老化防止、補肝・腎、[…]

[» 続きを見る]

視覚障害者の「目」になるアプリ「Seeing AI」

院長の伊藤です。 視覚障害者の「目」になるアプリ「Seeing AI」をご存じですか? 今回、このアプリの日本語版がリリースされたので、アプリの紹介と実際に使ってみた感想を書きたいと思います。 目次1 Seeing AI[…]

[» 続きを見る]

第19回 名古屋ライトハウス用具店のお知らせ

院長の伊藤です。 6月2日(日)に名古屋国際センタービルで名古屋ライトハウス用具店が開催されます。 視覚に障害がある方が今よりもっと便利に暮らせるよう、生活に役立つ機器や情報を紹介する展示会です。 みえないひとはおちろん[…]

[» 続きを見る]

夜盲補助眼鏡

先日、眼鏡メーカーのHOYAから発売される「暗所視支援機器 MW10」の試装会に参加しました。 私自身、網膜色素変性症という眼科疾患を患っており、夜盲の症状があります。 街中の明るい場所ならばまだ良いのですが、暗い夜道だ[…]

[» 続きを見る]

眼科以外の治療も行っています

スタッフの松本です。 イトウ針灸院は、眼科疾患専門の針灸院ですが、院長は『整動鍼』という鍼法を使い、他疾患の治療もおこなっています。 整動鍼(せいどうしん)とは整動鍼とは動きをツボで整えることで、運動器疾患のみならず、自[…]

[» 続きを見る]