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網膜静脈閉塞症は、血栓形成により網膜静脈が閉塞する疾患で、閉塞部位により視神経内の閉塞では網膜中心静脈閉塞症、網膜動静脈交叉部の閉塞では網膜静脈分枝閉塞症となります。
網膜中心静脈が強膜師状板を通過する部分と網膜上の動脈交叉部では、動脈と静脈が外膜を共有して密着しています。そのため、動脈の硬化性病変などにより静脈が圧迫を受け、灌流障害、血管内皮障害、血栓形成が起こります。
動脈硬化、高血圧、糖尿病などの全身疾患や、緑内障などの眼疾患を罹患している高齢者に多い病気で、65歳以上では1,000人当たり0.93~5.36人に発症するといわれています。
網膜中心静脈閉塞症では、視力低下を自覚し、眼底所見では、急性期には、網膜全象限にわたって膜出血が見られ、後極部では、神経線維の走行に一致して火炎状の出血がみられます。著明な視神経乳頭の浮腫、網膜静脈の拡張、蛇行、黄斑浮腫もみられます。
網膜静脈の閉塞に引き続いて起こる網膜毛細血管床の閉塞を示す虚血型(完全型、出血型)と静脈のうっ滞が主な非虚血型(非完全型、静脈うっ血型)に分かれ、一部非虚血型から虚血型への移行も見られます。
また、網膜中心静脈閉塞症では虹彩、隅角などの前眼部に血管新生を発生することが多く、虚血型の40~60%が血管新生緑内障を発症します。発症約3ヶ月ごろに後発するといわれており、視力予後は不良です。
網膜静脈分枝閉塞症では、視力低下、視野欠損を自覚し、眼底所見では、閉塞部に扇状に広がる網膜出血が見られます。
閉塞静脈は拡張、蛇行し、黄斑浮腫が約半数にみられます。
また、虚血型の経過をたどって、視神経乳頭、網膜に新生血管を認めることがあります。
発症後約6~12か月ごろに好発します。
新生血管を認める症例のうち約60%に硝子体出血を生じるといわれています。
網膜中心静脈閉塞症では、広範な網膜毛細血管床の閉塞を認める場合は、前眼部新生血管、血管新生緑内障の予防、進行停止のために汎網膜レーザー光凝固を行います。
網膜静脈分枝閉塞症では、網膜新生血管および硝子体出血予防のために、網膜毛細血管閉塞領域にレーザー光凝固が行われます。
また、網膜中心静脈閉塞症、網膜静脈分枝閉塞症共に、視力低下の主な原因である黄斑浮腫に対する治療として、格子状レーザー光凝固、高圧酸素療法、星状神経節ブロック、炭酸脱水酵素阻害薬内服、ステロイド薬硝子体注入、抗REGF抗体(アバスチンなど)硝子体注入、硝子体手術などが行われます。
また、血栓に対する治療として、全身疾患を考慮しつつ、繊維素融解療法、抗凝固薬、血小板凝縮抑制薬、止血薬が投与されます。
若年者で血管炎の関与が考えられる場合は、ステロイド剤が投与されます。
網膜静脈閉塞症に対して、網膜の虚血状態を改善して新生血管の発症を防ぐ事や、黄斑浮腫を改善し視力低下や変視を改善しながら、良好な状態を維持する事を目的として治療を行います。
また治療により眼底出血が起こった部分の吸収の促進を促し、出血による見にくさ(光の残像や感度の低下)の改善も治療により確認しています。
平成26年5月頃発症。右目の視力低下と耳側下方に変視(歪み・出血班)を生じる。
抗REGF抗体(アバスチン)注射を勧められるも、不安を感じたため他の治療法を探し、千秋針灸院の紹介で当院を受診。
3ヶ月間、週2回で施術を行いました。出血してから早い段階で治療を行えた事が良かったと思います。色の見えかたなども、右目は左目に比べると暗く感じていた部分も改善しています。さらなる回復を目指し、現在は週1回で治療を継続中です。
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