茶眼と呼ばれている「虹彩」、その後ろにある「網様体」、網膜と強膜の間にある「脈絡膜」の3つを合わせて「ぶどう膜」と呼びます。
3つの組織は、メラニン色素を多量に有する、血流に富んでいる共通性があり、色素で余計な光を遮って眼球を暗箱に効果や、豊富な血流によって、眼球に栄養を供給し、光による眼球のオーバーヒートを防いで温度を一定井に保つ役割を果しています。
ぶどう膜には豊富に血管があるため、炎症が起こりやすいのが特徴です。ぶどう膜およびこれに隣接する組織で起こる炎症を総称して「ぶどう膜炎」と呼びます。
感染性ぶどう膜炎などのように、炎症を引き起こしている原因が明らかなときには、抗菌薬や抗ウイルス薬投与といった原因療法が基本となります。
それ以外では、非特異的な炎症の抑制と、合併症の防止という対象療法が中心となります。
主に副腎皮質ステロイド薬の投与が中心です。
前部ぶどう膜炎には点眼・結膜下注射などの局所投与が第一選択となります。
後部ぶどう膜炎や強い全部ぶどう膜炎には、内服や点眼といった全身療法が必要です。
最近では黄斑浮腫や後部ぶどう膜炎の改善目的に、副腎皮質ステロイド薬の懸濁液を硝子体内やテノン嚢下に注入することも行います。
副腎皮質ステロイド薬には、眼圧上昇などの副作用も多いため、症状が改善してきたら、非ステロイド系消炎薬に切り替えます。
散瞳薬によって炎症局所の安静と、血管の透過性亢進を抑制して炎症を図ります。
また、強い炎症によって、光彩が水晶体前面と癒着を起こすこと(光彩後癒着)を防ぐためにも十分な散瞳が必要です。
併発白内障や続発緑内障に対して手術を行うほか、最近では、硝子体混濁の除去、黄斑上膜の除去、黄斑浮腫の軽減を目的とした硝子体手術も行われます。
国や時代によって、ぶどう膜炎の原因疾患は異なりますが、わが国ではベーチェット病、サルコイドーシス、フォークト-小柳-原田病の頻度が高く、三大ぶどう膜炎と呼ばれています。
一方1960年代後半まで多かった結核や梅毒に占める割合は、現在では低くなっています。
そのほか、ぶどう膜炎を起こす代表疾患としては、関節リウマチ、若年関節リウマチ、強直性脊椎円、糖尿病、トキソプラズマ症、真菌・ウイルス・細菌感染などがあります。
当院の鍼灸治療では、眼科での治療と併用しながらの治療が原則です。
鍼灸治療を行う事で炎症を抑え、飛蚊症の軽減や視力の向上を目指します。
最終的には非ステロイド系消炎の薬のみでの症状の安定を目指します。
ステロイドの長期使用は白内障、緑内障のリスクあります。
炎症が安定しない状態で非ステロイドに切り替えるのは難しいですが、鍼灸治療を併用して症状を安定させ、非ステロイドの点眼のみに切り替える事が成功した患者さんも見えます。
治療間隔としましては、炎症が強くステロイドを服用している状態では週2回の治療で炎症を抑え、比較的症状が落ち着いており点眼のみで症状を抑えている状態は週1回で治療を行います。
非ステロイドに切り替えて症状が安定したら治療間隔を徐々に空けていきます。
薬の長期服用や視力の低下や症状が安定せずお困りでしたら、一度ご相談下さい。
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