言葉は通じなくても

先日から中国人の患者さんが治療に来ています。

日本語はほとんど分からないそうで、初回は日本語が出来る同僚の方と一緒に来て

問診を取り、治療を行いました。

二回目からはお一人で来院され、痛い場所を触って確認したり、iPhoneの翻訳機能を使って

症状を聞きながら施術を行っています。

でも、言葉は通じなくても、顔色や表情も色々な事が分かりますね。

東洋医学では四診(ししん)という言葉があります。

四診とは望診、聞診、問診、切診の事を指し、

望診 : 視覚を用いた診察(顔色や表情、姿勢、舌の様子など)

聞診 : 聴覚と嗅覚を用いた診察(声、においなど)
問診 : 主訴や現病歴や既往歴、患者の体質などを質問して聞きます。
切診 : 脈やお腹、体表の状態などを体に直接触れ、状態を判断します。

たとえ問診がとれなくても、それ以外の3つを総合して治療を行う事が出来ます。

こういう点は東洋医学の強みですね。

初回見えた時は頭痛と吐き気、膝の痛みがつらく、暗い顔で施術を受けていたのに

施術後は笑顔で「ありがとう。」と言って帰っていかれました。

言葉や文化は違っても、痛みの辛さや楽になった時の嬉しさというのは万国共通なんだなと

改めて感じた一日でした(*^_^*)

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イトウ針灸院
伊藤 健悟

〒466-0059
愛知県名古屋市昭和区福江2-12-17

TEL/FAX : 052-881-3768
ホームページ : http://ito-acp.com
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