5月29日(日)に愛知県医師会館で開催された「ロービジョンフェア」に参加しました。
ロービジョングッズの展示や様々な講演、シンポジウムなど盛り沢山の内容でした。
ロービジョングッズの展示では、白杖や拡大読書器など様々なグッズが展示してある中、一番目を引いたのがコレ!!
名古屋工業大学の学生さんと名古屋盲学校の先生が開発を進めている「音声蝕図学習システム」だそうです。
鍼灸師としては経穴図に反応せずにはいられませんでした(笑)
蝕図(しょくず)とは線や面に膨らみをもたせ、それを指でなぞることによって、視覚障がい者が、絵や図を理解できるようにしたものだそうです。
経穴の位置を触ると、経穴名や取穴・経絡・筋肉・神経などを音声案内してくれるので、全盲の方の経穴の学習に非常に役立つと思います。
また、経穴だけでなく、電車の路線図や日本地図の蝕図もあり、今後も様々な活用法が考えられる研究内容でした。
教養講座では三宅琢先生の「iPad、iPhoneを用いた情報ケアとしての新しいビジョンケア」がすごく勉強になりました。
元々ロービジョンケアに興味を持っていたのですが、iPad・iPhoneをロービジョンで使用する事を始めたのが三宅先生で、「Digital Vision Care」と言うそうです。
視覚障害がある患者さんは見えない事で困るより、必要な情報を得る事が出来なくて困っている事の方が多いのだそうです。
なので、必要な情報にアクセス出来れば解決できる事が多くあります。
そのためのiPadの使い方や便利アプリを色々紹介して下さいました。
ここで書くと長くなってしまうので、三宅先生のGift Handsのホームページに色々情報がのってますので、詳しい情報を知りたい方はそちらをご覧ください。
また、iPad・iPhoneは見て使う物なので、弱視の方には使えても全盲の方には使えないと僕自身は思っていたのですが、Siriなどのボイスオーバー機能は目覚ましい進化を遂げており、タイマーのセットや電話をかける、メールを送る、音量を調節するなど音声でかなり多くの事が出来るようになっています。
栄のアップルストアでもロービジョン向けの使い方の講習を月に一度行っているそうで、活動は徐々に広がっていっているそうです。
「遠慮と配慮を区別する」
今回の講演の中で一番考えさせられた言葉です。
目に障害がある事でこれは出来ないだろうとこちらが勝手に判断して、遠慮をしてしまう事が多いですが、まずは一度やってもらい、出来ない事を解決する方法を一緒に考えていく。
相手に対する配慮は必要だけど、勝手な遠慮はしないようにしなければと思いました。
治療で患者さんの助けになるのはもちろんの事ですが、ロービジョンの情報など目に関して役立つ情報も患者さんに伝えていけたらと考えています。
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イトウ針灸院
伊藤 健悟
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