ロービジョンケア

ロービジョンケアという言葉を知っていますか?

日常ではなかなか聞きなれない言葉です。

ロービジョン (low vision) とは、視機能が弱く、矯正もできない状態。それにより日常生活や就労などの場で不自由を強いられる、従来は弱視、または低視力と呼ばれた状態、またはその人のことである。全盲ではない。「見えにくい人」とも呼ばれる。現在でも社会的弱視、教育的弱視とも呼ばれ、弱視者と呼ぶ場合は、現状ではロービジョン者とほぼ同義。視覚障害である。(Wikipediaより引用)

ロービジョンケアとは、保有する視覚機能を最大限活用することで、QOL(Quality of Life : 生活の質)の向上をはかることを目的としています。

具体的ににはどのようなものかというと

視力低下には…

・拡大鏡を使う : ルーペ、双眼鏡など

・屈曲異常を矯正する : 眼鏡やコンタクトによる矯正

・中心外固視(こし)の練習 :

網膜の中心の働きが障害を受けて視力が低下部分ではなく、機能がのこっているその周囲を使って物を見る訓練。

視野異常には…

・縮小レンズを使う : 縮小させることで広い範囲を見る

・プリズムを使う : 視野を拡大する

・スキャニングの練習 : 視野が狭くても、眼を動かして少しずつ情報を取り込むことで、前方の状況を把握することができます。この方法をスキャニングと呼んでいます。

羞明には…
・遮光〈しゃこう〉メガネを使う : 波長が短くて眼の中で散乱しやすい青色の光だけをカットする、遮光メガネをかけると、まぶしさがなくなります。ふつうのサングラスは、すべての光を一様にカットするので、視野が暗くなり、物を見にくくなります。
・サンバイザーや帽子をかぶる : ツバ付きの帽子も、まぶしさ軽減に役立ちます。

他にも、イトウ針灸院のホームページでも一部行っていますが白黒反転することで眩しさをおさえ文字を読みやすくしたりする方法などがあります。

歩行訓練や点字の習得などもロービジョンケアに含まれます。

こういった知識も勉強して、眼科疾患の方に治療と共にアドバイスが出来れば、生活の質がより向上出来ると考えています。

ロービジョンの学会もあり、眼科疾患と合わせて勉強していきたい分野ですね。

下記の本は、視力・視野の基礎的な内容から眼球運動訓練の方法・補助具の使い方なども載っており、どなたでも読みやすい本です。

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イトウ針灸院
伊藤 健悟

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ホームページ : http://ito-acp.com
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